森田療法の大誤解!「あるがまま」だけでは症状がよくならない理由

 今回のテーマは、

森田療法
神経症治療のための心理療法としては最も広く伝わり、近年では海外で森田療法を治療に取り入れる動きもあるようです。
森田療法は非常に有用ですが、問題点もあります。そこで、この記事では森田療法に対する僕の考え方と、森田療法を上手く治療に取り入れる方法論を紹介します。

森田療法とは?

自律神経失調症の精神症状を緩和するために使われる心理療法の代表格が森田療法です。その影響力は認知行動療法と並ぶほどです。認知行動療法とは簡単にいうとその人の考え方を変えさせる方法論です。
人の考え方がそう簡単に変化しないことは皆さんもお分かりだと思います。だから、多くのケースで認知行動療法は上手くいかないのです。何事も難しいことは続かないは真理ですからね。
一方、森田療法の創始者である森田正馬は、症状にとらわれている「とらわれ」と、それを取り除こうとすると行動である「はからい」が神経症の原因であるという理論を確立しました。これが森田療法です。
簡単にいうと症状を気にしてるから神経症になるんだよ!ってのが森田療法の根底にある考え方です。シンプルですね。
森田は「とらわれ」と「はからい」の2つの状況を回避するために症状をあるがままにすることを考えついたのです。なんかややこしいと思うので整理すると、
・とらわれ→症状が気になってしょうがない状態
・はからい→症状を取り除こうと努力すること
・あるがまま→自然体でいる、症状を受け入れる
森田療法の良いところは、症状を「あるがまま」にすることで身体状況を客観的に見ることができるという点です。
脳の構造上、客観的な視点を持つことができると感情は抑えられます簡単にいうと論理的な思考は感情に優先するということです。「あるがまま」はこの脳の働きを助けます。だから精神症状には成果を上げていました。

現代型の神経症は森田療法の適応外

しかし、実は現代の神経症に対しては森田療法が効かない可能性があります。なぜかというと、現代に蔓延している神経症は、森田が治療を行っていた時代の神経症とはタイプが違うからです。
僕は現代の神経症は、身体的な原因から発症する神経症に類似した神経症モドキだと考えています。森田が治療を行なっていた時代、神経症は主に脳の病気でした。
脳が原因で起こる神経症に対しては、効果抜群だった森田療法も原因が身体的なものになれば効果が薄れるのは当たり前です。現代は生活習慣の変化やデジタル機器の発展などにより、身体に局所的な負荷がかかって神経症に似た症状が出る人が後を絶ちません。
森田療法は海外での評価も高く、その理論は極めて美しく、実用性の高いものです。症状に囚われず、最後まで目的志向を持ち自分のなすべきことを達成する。この素晴らしい理論を確立した彼の才能には本当に頭が上がりません。しかし、現代の神経症には効果が出にくいことは確かなのです。
例えば、腕を骨折し、その症状を「あるがまま」にしていたらどうでしょうか?治りませんよね?そうではなく早く治るように処置をしなければなりません。僕は現代に蔓延している神経症とは、このようなものである可能性が高いと思っています。
僕は森田療法を否定している訳ではありません。現代型の神経症に対しては、的が外れている可能性を指摘しています。自分の体験からも、現代の神経症と以前の神経症はかけ離れたものになっていると感じています。

森田療法を治療に生かす

とはいえ、精神面での不安感は自律神経失調症にはつきものです。そこで森田療法を日常の思考に生かすと精神衛生よく日常生活を過ごすことができます。
森田療法の肝になる考え方は、目的志向と呼ばれるものです。「日常で何を目的に生きるのか?」それを常に思考の中心に置きます。
その邪魔をしてくる不安感や神経的な症状はあるがまま受け入れ、ただひたすら目的を追うのです。
目的は「仕事に集中する」でも「勉強をする」でも構いません。目的に向かって毎日行動をとり続ける。つまり、動き続けることで、神経症的な思考は消えていくのです。
目標を持ち、それに向かう毎日を一生懸命過ごす
このような考え方を森田療法から学んで、生かすことができます。森田療法の考え方が腑に落ちた時、苦しみの中でも精神状態がしっかり安定することでしょう。

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